「農村には文化がある。それをどうやって残していくかが地域創生の鍵。やりたいことは山ほど。」と語る、集落営農組織「桜羅楽農会(おうららくのうかい)」 渡部光右衛さんの写真

高齢化や後継者不足で農業が成り立たなくなり、自治そのものも危うくなっている中山間集落が全国的に増えています。

この状況を改善するために国は集落営農を推進していますが、農業だけではなく、集落の暮らしや文化をどうしていくかを考えることも重要です。

集落の住民がまとまり“集落の未来”を考えるためには何が必要なのでしょうか。

地元のJAに勤めていましたが、定年退職を機にふるさとで地域づくりに尽力されている、集落営農組織「桜羅楽農会(おうららくのうかい)」の渡部光右衛さんにお聞きしました。

 

集落の未来のために“みんなで一緒にやる”

 

奥松瀬川地区は東温市旧川内町の県道湯谷口・川内線(327号線)の谷筋に位置する中山間地域。集落には約100戸あり300人ほどが暮らしています。

地区のほとんどの農家は稲作を中心とした兼業農家。数名の畜産農家もいます。しかし、農家の高齢化、後継者不足で農業生産活動の維持が困難になることが懸念されていました。

そこで、耕作放棄地の発生を防ぎ、担い手の育成や地域の活性化、持可能な農業を推進するため、2000年度から中山間地域等直接支払制度に取り組むことにしました。

集落の獅子舞の写真
集落の獅子舞。この伝統文化の継承も危ぶまれていた。

2010年度には、集落営農組織の設立を検討する「奥松瀬川集落営農を考える会」を設立し、定期的な検討会の開催、先進地視察研修等を実施。

 

その結果、2011年4月に、“集落の農地は集落みんなで守る”をスローガンに集落営農組織「桜羅楽農会(おうららくのうかい)」の設立に至りました。さらに、2012年度には、人・農地プランの策定に向けたアンケート調査や集落内での周知活動等を重ね、同年9月に東温市初の人・農地プランを策定しています。

 
中山間地では、個々がばらばらにやるのではなく、みんなが一緒にやらないといけない。

自分たちの10年先、15年先を考えようと、集落の中で気持ちが徐々にまとまっていきました。


これまでに集落では、機械の共同利用、農道・水路の管理、景観形成作物(ひまわり、コスモス)の栽培を行ってきました。また、兼業・専業農家の子弟を含めた世代間交流等を行ったことで、新規就農者を3名確保することもできました。

ここまでは順調にきているのですが、今後は地域創生を農業とどう絡めていくかが課題になっています。
 

“地域創生”は、地域で考えていかなくてはならない。

 

2016年には集落で地域創生会議を立ち上げるために準備も進んでいます。

 
これまで同様、農業を中心に6次産業化を進めていきますが、そのためには女性の力が必要。

集落には味噌など加工品を作る女性グループがあり、さらに販売力のある商品づくりに取り組みます。

さらに観光・ツーリズムも視野に入れ、集落にたくさんの人に来てもらい、

奥松瀬川の魅力を知ってもらい、ひいては集落を支えてくれる人材になってくれたらと考えています。
鶏の一種である「ほっちょ鶏」の写真
集落のPRに一役買っている、渡部さんらグループが飼育する「ほっちょ鶏」
 

集落で開かれた地域づくりミニワークショップでは、“こんなことがやりたい”という様々な意見が飛び交いました。

 
『空き家を活用した体験型移住プランをつくりたい』
『高速道路のPAやSAで農産物販売をしたい』
『ファミリーで遊べる水辺の遊び場づくりをしたい』

これらの意見をまとめたシートを見ていると、楽しくなって、実現していこうという意欲が湧いてきます。
 

農村・農業には文化がある。その文化を残さなくてはならない。

渡部さんは集落の“文化”に焦点を当てた地域づくりをしていきたいといいます。

 

大化の改新により、今治に国府がおかれました。その国府のある地域を道中と称し、京に向かって国府の前部にあたるところを道前(現在の丹原、小松、西条)、後部にあたるところを道後と呼びました。奥松瀬川はかつてこんぴら街道沿いに栄えたところですが、この道中と道後を結ぶ地点でもあったのです。

 
そんな地点でありながら、もとからあまり道中・道後の交流がここでは行われていなかった。

ですから、ここを交流拠点として今後盛り上げていきたいのです。

“未来に残しておきたい奥松瀬川文化遺産”を募集したところ、平安時代からともいわれる長福寺跡の大イチョウも選ばれました。

集落では大イチョウを手入れして観光資源にしていこうと計画しています。
 

さらに続けます。

 
人がいなくなると文化も途絶えてしまう。

集落の農村太鼓や獅子舞も大切に保存して、集落外の人とも積極的に文化交流をしていきたい。
 

毎年9月の最終土曜日に開かれる収穫祭では、これら伝統芸能が披露され、集落の多くの人が戻ってくるといいます。また、集落外からもたくさんの人が訪れます。

近年は、集落内で野生鳥獣による農作物被害の増加が深刻化していますが、その対策として集落の6名以上が狩猟免許を取得しました。

森林のこと、文化遺産のこと…地域全体で考える課題はたくさんあります。

集落の太鼓グループが演奏をしている写真
収穫祭では集落の太鼓グル―プの演奏が披露される
集落のことを考えて一緒に行動してくれる人であれば年代は問わない。

年配の人も、若い人もここでの地域づくりを楽しみつつ、農業をやっていって次代につないでくれればと思っています。

みんなで作り上げ、息の長い活動をすることが肝心です。

集落の太鼓グループ「さくらゆめ太鼓」には、集落外のこどもたちも練習に通うことが可能です。イベントや交流行事でみた太鼓を“自分もやってみたい”とグループに入ってくる子もいるそうです。集落内外のこうした交流が、農村文化を守るために重要だと感じます。

 
取材日:2015年12月19日
※祭りの写真は桜羅楽農会ご提供
 
生産者データ
生産者名 集落営農組織「桜羅楽農会」 代表 渡部光右衛
生産品目 <農産物>米、花木、野菜
住所 〒791-0314 愛媛県東温市松瀬川甲1304-1
TEL / 090-8698-8813

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