「アグリさんとこがやりよるんけん、うちらも頑張らんと。」と言われるよう気合を入れている」と語る、農事組合法人「アグリすのうち」 大野桂さんの写真

集落営農とは、集落を単位として農家が各自の農地を持ち寄り、共同で農機具を所有したり農作業を行ったりすること。高齢化が進み農業生産人口が減る中で、「合理的な農業を展開していく」ために集落営農を国は推進しています。

落営農を行う組織の形態としては任意組織のほか、各農家の利益増進が目的の「農事組合法人」、営利目的の「株式会社」などがありますが、法人化に踏み切る集落は四国においてもまだ少ないのが現状です。

2008年7月。東温市に初めての農事組合法人が誕生しました。それが「アグリすのうち」です。法人化にあたっての経緯や、現状について代表の大野桂さんにお伺いしました。

 

営農組織づくり、法人化への模索をはじめる。集落の合意形成への長い道のり。

 

則之内(すのうち)地区は道後平野東部にあり、井内地区、河之内地区と併せて「三内(みうち)」と呼ばれる米どころのひとつ。

則之内地区は1991年から1997年にかけて、地域の水田の約70%(約21ha)で基盤整備が完成し、生産条件は格段に効率化されました。

則之内のある農地の写真
基盤整備で作業効率が飛躍的にあがった則之内地区の農地
基盤整備が始まった1991年に地区の17戸の農家が加入し機械利用組合をつくりました。
ロータリーを購入し、共同で機械を利用するなど効率化に取り組み始めました。

このときの基盤整備があったからこそ農地は荒れずに済んだのですが、農家の高齢化や担い手不足により耕作放棄地の増加が心配されました。
次の世代にバトンタッチするためには本格的な営農組織をつくり法人化をしたほうがいいのではないかという議論が始まりました。

しかし、「元気なうちは個人で営農したい」「機械が使えるうちは個人を続けたい」「法人をしても経営が成り立つのか」といった不安から法人設立に賛成する農家は少なかったといいます。

 

集落で重ねた話し合いは100回以上。
根気よく説明することで法人設立後、加入者が増加。

転機が訪れたのは2000年、中山間地域直接支払制度の導入がきっかけでした。この制度では、耕作放棄地防止のための活動や農道・水路の管理方法を定めた集落協定を締結し5年以上継続して取り組むことが必要です。

改めて集落の未来を話し合うにつれ、法人化がやはり必要なのではないかという声が出てきました。集落の同意を得るために、2006年以降、集中的に協議を重ねるようになりました。

ちょうどしまなみ海道も開通したので『行ってみようや』とみんなに声をかけて広島県で既に法人化している集落をはじめ、毎年先進地の研修に行きました。

さらには集落で何度も検討会を開き、法人化のメリットや法人化したらどのような運営がこの地区にふさわしいかを説明しました。

みんなの心はなかなか一つになれませんでしたが、賛同してもらえる農家で法人設立委員会をつくったのが2008年。

委員は毎週集まり、法人設立の法律上の課題や事務手続き、運営の方法などについて県地方局担当者の助言を得ながら協議を重ね、翌年に思い切って法人化しました。
 

48戸ある農家の8割程度に入ってほしかったのですが、当初組合に加入したのは17戸。8haからのスタートでした。

中山間交付金で機械を購入、倉庫は合併により利用しなくなった地区の専門農協の跡地を購入することができました。田植えや稲刈りなど大型機械を使う作業は役員が手分けをして行い、田植え時期など忙しい時期は集落の女性も含め年間15人程度が作業を行っています。

今まで年間4~6回行っていた畦(あぜ)の草刈は、「みんなで改良しよう」と組合員以外にも声をかけ年間2回の草刈で済む芝生を植えました。

白い看板に「アグリすのうち」とかかれた倉庫の玄関の写真
国道11号線沿いでアクセスも便利な倉庫
 

その後、加入希望の農家が次々と出て、現在は29戸が加入し、管理農地は計14haに。毎年1戸のペースで組合員が増えています。

 

販売戦略をより強化し、次の世代につなぐまで踏ん張りたい。

 
もっと多くの農家に組合に入ってもらうためには、いいお米を作って、組合員の所得向上のために有利な価格で売っていかなくてはなりません。
 

同組合の独自ブランド「さくら元気米」は現在、高齢者福祉施設や弁当店などへ直接販売をしています。お得意様に安心して使っていただけるよう、不純物を除去する光センセーも導入しました。また、一年中販売できるよう低温倉庫も完備しました。

米袋が積まれた貯蔵庫内の写真
一年中お米が販売できるよう低温貯蔵庫を完備
 
これまで順調に販売してきたのですが、今期は米価が下がり、次の戦略を考えないといけない思っています。

これから栽培面積も増えてくると思うので、新しい力も必要です。

とはいえ、お米づくりは通年作業があるわけでないので、専属の人材を雇用するのは経済的に厳しく、「2年後、定年退職したらお米づくりを手伝う」といってくれる人などに頼らざるを得ないのが実情です。
 
でも、『アグリさんところがやりよるんやけん、ウチらもがんばらんと』といってもらえるよう、気合を入れてやりたい。

組織はできたので、ここからまた一歩踏み込んでふんばらんといかんと思っています。
 

今、同組合には四国内の中山間集落がたくさん視察に訪れるようになっています。耕作放棄地が増えこのままでは限界集落になってしまう…同様の危機感を抱く集落の目標ともなった「アグリすのうち」。

今春、8回目の米づくりに挑みます。

 
取材日:2015年12月17日
 
 
生産者データ
生産者名 農事組合法人
「アグリすのうち」 代表 大野桂
生産品目 <農産物>米
販売場所 「アグリすのうち」倉庫
住所 〒791-0311 愛媛県東温市則之内甲878-1
TEL/ 089-966-2085

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