株式会社村田農場 施設管理課長 福岡利男さん

全国各地のJA(支所を含む)ならびに問屋等200件余りの取引先への苗出荷を通して、農家の栽培を支えている株式会社村田農場。

「村田の苗」の品質は全国的にも定評があり、その苗を使った篤農家がきゅうりやナスの品評会で数多く受賞しています。プロ農家に「選ばれる」苗を同社は作り続けています。

100棟にも及ぶ広大な育苗ハウスを有しながらも、“昔ながらの育苗スタイル”を大切にしている同社。苗づくりのポイントを、施設管理課長の福岡利通さんにお伺いしました。

 

地元産有機物を原材料とする土づくりにこだわる。苗づくりは土づくりから

「苗半作(なえはんさく)」という言葉があります。これは収穫量の多い・少ないは苗の良し悪しに大きく影響されるということです。それだけ農家にとって苗は大切なもの。そして、同社は良質の苗は「土づくり」で決まると考えています。

当社は稲・麦わらやもみ殻などの有機物を近隣の農家から購入し、独自の配合を行い培土に使っています。

混ざりものを一切入れず長期熟成させますので環境に優しい土だと自負しています。

近年、育苗業者の多くは、パーライト(真珠岩を粉砕焼生した人工発泡体)やバーミキュライト(蛭石を高温熱成した人工用土)、ピートモス(腐植化した泥炭を脱水、粉砕、選別した用土。主産地は北欧やカナダ等で、日本では北海道の一部でしか産出しない)といった人工培土を用いるのが主流となっています。

人工物を原料としているため、培土の品質が均一に保たれるというメリットがあり、そこから作られる苗も平均的なものとなります。

培土場の写真。鋼鉄の仕切りで区切られた中に山盛りの土が積まれている。
有機物にこだわり培土を作っている村田農場。 培土は苗の種類によって配合も変わる

一方、有機物を使った土づくりは、土の熟成過程の気象条件などにより均一性にムラが出ることもあります。そのため「篤農家も認める100点満点の苗」ができる反面、残念ながら落第点の苗も混じることがあります。

それでも同社は、堆肥場で伏せて発酵させた稲・麦わらや、自社で燻炭したもみ殻などを混ぜる土にこだわり、余分に生産することでムラをカバーしています。

地元産有機物を原材料とする土づくりは、撤退する業者が増えました。循環型農業が再び注目されるなかで同社が積み重ねてきた土づくりのノウハウは、貴重な技能になっています。

福岡さんはさらに言います。

 
農業は土が基本。この技能を今後も社内で確実に継承発展させていくつもりです。
 

接ぎ木作業の重要な担い手「子育てママ」にやさしい職場づくり

苗には、「接ぎ木苗」「自根苗」の2つのタイプがあります。「接ぎ木苗」とは地下部の根の台木と地上部の茎葉の穂木を接ぎ合わせた苗のことで、「自根苗」は種を蒔いて自分の根から育った苗のこと。

接ぎ木の場合、病気や連作障害に強いものを台木に使うため「病害虫に強い苗」として、年々需要が増加しています。もともと農家は接ぎ木苗を自分で作っていましたが、高齢化や大規模化などの要因で、接ぎ木苗を専門業者から購入するケースが増えているのです。

この優れた接ぎ木技術も同社の特徴で、特許も取得しました。そして、この接ぎ木作業を行っているのが地元の女性たちです。

作業室で挿し木苗作りが行われている様子
ピーク時は100名ほどのパートで挿し木苗づくりの作業を行う

作業現場に案内していただくと、この日は25人ほどの方がメロンの接ぎ木の作業をされていました。ピークになる夏には作業室には100人近いパートが入り、1日4万本ほどの接ぎ木苗を作るそうです。早い人だと1時間に400本もの苗を作る彼女たち。20代~30代の若い子育て世代の方が多いことに気づきます。

接ぎ木は非常に細かい作業なので、手先がよく動き、手元がよく見える彼女たちに向いています。

そんな彼女たちに子育てしながら安心して仕事をしてもらおうと、他社に先駆け15年前に企業内保育を始めました。

公共の保育施設なども充実したことで、現在ではその役割は終えていますが、こどもの保育園の送迎時間に合わせた勤務シフト、急な発熱などのとき臨機応援に対応してくれるなど、「子育てにやさしい企業」として評判の企業となっています。


 

地元の耕作放棄地対策のために…自社でも耕作し農地保全に貢献

2012年に同社は耕作部門を立ち上げました。東温市では高齢化や後継者不足などにより就農人口・戸数ともに減少し、耕作放棄地が増えつつあります。

そこで、「地元の農地や原風景を守るために役に立てることを」と、近隣の耕作が困難となった農地を借り受けお米を作っています。そして、ワラを従業員たちで編み“こも”を作り、苗の養生用に使っています。

藁で編まれ、ハウス内で使われている「こも」の写真
自分たちで藁を編み苗の養生に使う。地元の有機素材を大切に使っている

同社のパンフレットのキャッチコピー「大地愛苗」。大地が苗を育てているという意味。地元の有機物を使って苗をつくる同社は、それら有機物に感謝するとともに、その有機物を育んできた東温の大地に感謝しながら、『苗七分作(収穫量の多い・少ないは70%程度苗の良し悪しにより決まる)』を目標に、今後も土づくりと共にある育苗を続けます。


取材日:2015年12月18日
 
 
生産者データ
生産者名 株式会社村田農場
事業内容 苗および種子の生産、育成、販売
米麦および各種野菜の耕作栽培ならびに販売
農業用生産資材の生産、販売
直営店の経営
直営店 「株式会社村田農場」売店 
〒791-1112 愛媛県松山市南高井町508-2
TEL/089-975-3639
休日:年中無休(年末年始を除く)
営業時間:8:30~17:00
住所 〒791-0214 愛媛県東温市南野田734-1
TEL/089-964-8469 FAX/089-964-0406
ホームページ 株式会社村田農場 http://www.muratafarm.co.jp/

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