花の栽培経験を活かし、生産現場をサポート。『信頼される商売』で、愛媛県下に18店舗を展開。株式会社あぼんりー)

「自然が好き、植物が好き」。
しかし、「業」として始めた花づくりは苦労の連続。

梅雨どきの少し蒸し暑い日。株式会社あぼんりー本部のバックヤードに、搬入トラックが入ってきました。この時期販売のピークを迎えているアジサイのほか、様々な種類の鉢・ポット花の荷受け作業がスタッフ総出で行われていました。

入荷した花に早速たっぷりの水やりをするスタッフ。取締役副社長の越智久美子さんがこんな話をしてくれました。

入荷した花に早速水やり。この配送センターから県下18店舗にスタッフが商品を配達する。

入荷した花に早速水やり。ここ本部配送センターから県下18か所にある同社の店舗に商品が配達される。

  
鉢やポットの底からしたたり落ちるほどの水を、こうして花にやるんです。小さな器の中に入った花は人間が手をかけてやらないといけないんですよね。
そういった意味で、地球はすごいですよね 。(久美子さん)

自然の植物たちは地球の循環環境の中から、水も栄養も享受する…。そんな素晴らしい自然と共に暮らすことに、小さい頃久美子さんが憧れるきっかけになったのが、小説「赤毛のアン」との出会いでした。東京で育った久美子さんは植物のことを勉強したいと千葉大学園芸学部に進学。農業経営技術を学んでいたときに出会ったのが、同じ大学で花卉園芸学を学んでいた現・代表取締役の越智俊充さんでした。

俊充さんの実家は東温市のサラリーマン家庭。俊充さんご自身も野草など自然の植物がとても好きで同大学に進学しました。大学卒業後の2年間は東京で植木の会社に勤めていましたが、ふと「ふるさとに帰って農業でもやるか」という気持ちになったといいます。久美子さんも「植物を育てるなんて素敵なこと」と俊充さんとともに愛媛へ。栽培に選んだ作物はユリ、カスミソウなどの花卉類でした。

ところが、「農業“でも”」の考えは甘かったといいます。

実家に少々畑はありましたが、農業資金を借り農地を広げ、ハウスも建て本格的に栽培に取り掛かったお二人。理論は大学で勉強していたものの、現場は試行錯誤の連続。一番苦労したのは、関東ローム層の赤土と愛媛の黒土との違いだったといいます。また、張ったばかりのハウスのビニールが一晩で風で飛んだことも。本来「野草が好き」な俊充さんには販売用の花を作ることへの少なからずの抵抗もありました。

しかし、「生きていくため、借金を返すため」。3人の子供を育てながら、愛媛の花卉市場のほか、広島の市場などへも出荷ルートを築いていきました。

そんなとき、地元の三内農協に朝市がオープン。ご夫妻は背が低いなどの理由で市場に出荷できない規格外品を格安で販売してみることにしました。すると、お客様からの反応は上々で「もっといろんな種類の花はないの?」と言われるようになりました。

いろいろな種類の花を自分たちで栽培するのは大変です。そこで「仕入れる」ことを考えましたが、仕入れ業者として市場に参入するためには権利金のほか「店舗」が必要です。平成6年、ご夫妻は自宅に6畳の小さな店舗を作ることにしました。お店の名前は「花の店 あぼんりー」。赤毛のアンに登場する村の名前です。
 

取引先やお客様との信頼を構築するために
商売を“とにかく一生懸命やる”

その店には最初は友達がたくさん買いに来てくれたのですが、やがて3月~5月のピーク時には来るけれど、6月、7月にお客さんが来ないという状況になりました。
というのも、当初は自分の好みの花だけを置いていて、菊もシキミも一切置いていませんでした。
そのうち、“売れるものを売らなくてはならない”という、商売の基本に気づいたんです。(久美子さん)


商品を見直し、さらには仕入れたものを売り切るために、お客様がたくさん集まるスーパーマーケットに花を置かせてもらえるよう営業することに。ちょうど県内では地域拠点のスーパーマーケットの新店ラッシュの時期でもありました。このとき、様々なご縁もあり、あぼんりーの花を取り扱ってくれる店舗が徐々に出てくるようになりました。
 

一番最初に入れていただいたスーパーの店舗は松山市の和気地区。東温市からは結構遠いんですが、期待に応えられるよう一生懸命やりました。そうするうち、スーパー側も信頼してくれて、次回以降の出店の際も声をかけてくれるようになりました。
やはり、商売においては信頼が大切ですよね。(久美子さん)


市場との信頼関係構築もあぼんりーにとっては大切なポイントでした。今でこそ兵庫や大阪の市場と取引も行っていますが、初めて仕入業者として参加した当時の松山の花卉市場は手競りが主流。「昔は手競りが怖くて。気が弱いものだから手も小さくしか挙げられず。そのため一番前に座るようにしたんです。そうしたら大きく挙げなくても気づいてもらえると思って」と久美子さんは笑います。

気合と勢いで競りに参加した下積み時代。売れない商品があると「それ、うちが引き取りますから」と買い上げるなどするうちに、徐々に市場での認知度も高まり、信頼も厚くなっていきました
 

さらには、生産現場との信頼づくりも積極的に行ってきました。東温市の山間部ではシキミ栽培がさかんですが、高齢の生産者の山では収穫・出荷が難しくなっています。そこに、あぼんりーのスタッフが直接出向き収穫・仕入作業を行っています。現在花の栽培はやめ、販売に専念した同社ですが、生産をしてきた経験から、生産現場との信頼構築及びサポートが大事だと感じているようです。
 
スタッフ自ら生産者の山で収穫したシキミを作業場にて商品づくり。
スタッフ自ら生産者の山で収穫したシキミを作業場にて商品づくり。
 

花のある暮らしを提案。
楽しさ、安らぎ、幸せを一緒に育てていきたい。

同社はいま「花のある暮らし」提案も積極的に行っています。地域のNPOが主催する教室や公民館活動に出向き、フラワーアレンジメントを教える傍ら花についての知識も解説しています。

愛媛県は世帯あたりの切り花購入量が沖縄県に次ぎ下から2番目。残念ながら、家庭や店舗でカジュアルフラワーを飾るという文化があまり根付いていません。東京などに行けば花瓶に花を挿しテーブルに置いてあるカフェは本当に多い。
だから、愛媛の人にもっと花のことを知ってほしいですね。(俊充さん)

愛媛県下に18店舗(平成28年6月時点)を展開するあぼんりー。店舗数は中四国屈指です。そして、いずれの店舗にも赤毛のアンの登場人物の名前が付けられています。企業理念は「Joyful・ Peace・Happiness」。花とのふれあいの中で、楽しさ、安らぎ、幸せの芽をより多くの人と共に育てていくことが目標です。

最後に、ご夫妻自身の目標をお聞きすると、「次の世代に引き継いだら、赤毛のアンの生活ですよ」と即座に笑いながらおっしゃっていました。かつてユリを作っていた畑では、現在俊充さんが趣味の野菜づくりをしているそうです。「キャベツなど青虫だらけですけどね」とさらに笑顔。


野草、樹木、野菜など自然に囲まれたご夫妻の「あぼんりー村」が誕生したら、ぜひ訪ねてみたいですね。

 
川内本店店内。「お客様の手元に届いたときに最高の状態で」をモットーにしている同社の商品はネット通販でも「長持ちする」と好評。

「お客様の手元に届いたときに最高の状態で」をモットーにしている同社の商品はネット通販でも「長持ちする」と好評。
野草や植物の写真撮影が大好きな越智俊充社長と、「引退したら赤毛のアンの暮らしですね!」という久美子副社長。
野草や植物の写真撮影が大好きな越智俊充社長と、「引退したら赤毛のアンの暮らしですね!」という久美子副社長。

 
取材日:2016年6月9日
 
企業データ
会社名 株式会社あぼんりー
事業内容 花と雑貨の卸・小売
事業所 ■本部 〒791-0301 愛媛県東温市南方603番地
TEL/ 089-966-4827  FAX/ 089-966-4868
■生花店
「あぼんりーの花」(上記本部横)ほか、県下に計18店舗
創業・設立 創業:平成6年3月 会社設立:平成12年9月
代表者 代表取締役 越智俊充
ホームページ http://avohana.com/ (外部サイト)

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