技巧想像をキーワードに、超精密金型作成技術を用いた金属・プラスチック製品をトータルプランニング。小田エンジニアリング株式会社

熟練工の技術を次代につなげるために。精密コマ製作を通じてモノづくりの魅力を伝える。

各種の精密加工機が音を立てる工場。その一角で、微細なパーツを手で組み立て最終調整をしている職人さんがいらしゃいました。

工場を案内してくださった小田エンジニアリング株式会社 社長・渡辺計人氏は言います。

工場内部の写真
各種精密加工機が並ぶ工場内部
 
求められるギリギリの精度で97%までは機械が加工をしても、残りの3%は熟練工たちがこうして手作業で仕上げています。

最後の±1μの高精度の世界は、人の手が作り上げているのです。
 

作業をしていた職人さんは半世紀にわたる技巧歴をもつ大ベテラン。彼らは決して「できない」と言わないそうで、若い職人もよく助言を求めに行くそうです。

こうした熟練工の“スゴ技”を次代に繋ぐために同社が力を注いでいるのが、精密コマ製作を通じて“モノづくりのおもしろさ”を伝える活動です。

指先でつまむようにして、写真では見えないほど小さな部品を組み立てている職人の写真
非常に小さな部品を組み立て、最終調整するベテラン職人。超高精密技術の最終仕上げは人の手で行う。

リーマンショックで中小製造業の冷え込みは続き、東日本大震災で日本国民全体の気持ちが沈んでいるなか、“日本の製造業を元気にしたい”と、2011年に関東で始まった「全日本製造業コマ大戦」

 「この大会に出てみませんか?」

日ごろから仕事の付き合いのある他県の事業所から渡辺氏に声がかったのです。

“コマ?”と、最初は及び腰でした(笑)。

しかし、見渡してみると職人の世界はこんなにいい技術をもっているのにこれまでアピールしてこなかったと改めて感じました。

同じ製造業の中でも職人はみな素晴らしい技術をもっています。この大会に出ることで、職人同士の交流が広がり、企業同士がつながっていろいろなことをやるベースができるのではないかと考えました。

そして、「よし! いっぺんコマを回してみよう」という気持ちになりました。
 

スペシャリストはたくさんいる。つながることで、未知の分野へ挑戦できる。

全日本製造業コマ大戦で使用する喧嘩ゴマは直径20mm以下、全長60mm以下というサイズだけが決まっており、材質・重さ・形などは一切問われません。相手のコマよりも長く回り続けた方が勝ちで、土俵の外に出たら負けとルールもいたってシンプル。

渡辺氏同様、“コマ?”と最初はとまどっていた職人たちでしたが、そこはやはり“モノづくり”のスペシャリスト。やると決めたらとことんのめり込んでいきました。

一般のコマとは違い、武骨で無機質な金属でできた様々な形のコマの写真
小田エンジニアリングが製作した喧嘩ゴマの数々。2014年の全日本製造業コマ大戦西日本大会では見事準優勝。

どんな素材を使えばよいか、重さや形はどうするか。渡辺氏をはじめ4人がプロジェクトチームに参加し、数か月間にわたって開発を続けました。

そして迎えた第一回全日本製造業コマ大戦(2012年)。残念ながら初戦敗退でした。しかし、そこで職人たちの心に火がつきました。“もっと長く回るコマを”と開発に打ち込み、2014年の西日本大会では見事準優勝、翌年の世界大会では上位20位(暫定)に入りました。

この大会に出場したことで、渡辺氏は大きな手ごたえを得たといいます。

本線が終わったあとの第2ラウンド=懇親会のとき「さっきの対戦のコマはこうだった、ああだった」とお互いのコマについて惜しみなく情報交換する中小企業同士。本戦で負けた際のマイクインタビューでは、自分たちのコマの反省点を悔しそうに話す職人たち。

懇親を深めるなかで、技術が、人が、企業同士が、爆発的につながっていったといいます。

今までは大企業のもとではライバル同士だった下請け企業がつながり、口コミで、またSNSなどでお互いの宣伝もするようになり、さらには一緒に仕事もするようになりました。

小さくても素晴らしい技術をもっている中小企業がたくさんある。

お互いがタッグを組めば、やったことのない分野へも飛び込めます。
 

お客様のパートナーであるがゆえに、今までにない”モノづくりの発想が生まれる

渡辺氏はもともと商品設計の技術者。小田エンジニアリングが得意とする金型は未知の分野でしたが、入社して以来“金型”の世界にのめり込んでいったといいます。

大量生産される工業商品のほとんどは、金型が無いと製造できません。

金型はその複雑な動きで、カメラなどの部品をポンポンと作っていく。一日に1個であっても、100万個であっても、文句も言わず(笑)作り続けている。

そんな金型設計に魅了されました。

お客様がどんなものを作りたいかを聞き、ラフスケッチを起こし、3Dプリンタ等で試作。量産用金型製作に入る前に、まずはこのようにお客様の設計のサポートを行います。

金型納品後もお客様の工場に行きフォロー。製品化するまでの一連の流れに“お客様のパートナーとして”対応できるトータルプランニングが同社の最大の特徴です。

小田エンジニアリング社長の渡辺計人さんの写真
「金型製作のみならずお客様の研究・開発パートナーとしても活躍したい」という渡辺計人社長

大企業の下請けとして指示されたものだけを作るのではなく、お客様に寄り添い、職人の技術力(技巧)と自由な発想展開(創造)をあわせ“技巧創造”をキーワードに、モノづくりに取り組んでいます。

今までにないものを作りたいという熱い想いは、モノづくりに生きてきた職人たちはみんなもっています。

でも、今まではその心をなかなか外に表現する機会がなかった。

コマ大戦出場はそんな職人たちの熱い気持ちを呼び起こすものであり、モノづくりの楽しさをもっとたくさんの人に知ってもらうためのものでもあります。

大学主催のコマ大会にも積極的に出かけ、コマのPRとともに、自社の、そしてモノづくりの楽しさをPRしています。こども達にもコマの魅力を知ってもらおうと、小学校で子供向け簡単コマ制作教室を開催したり、簡単組立キットをつくりホームページで販売も始めました。

2015年5月には、“愛媛でもコマ大戦を”と、同社が事務局となり県内の製造業6社でコマ大戦出場チームを結成しました。コマを通してお互いに親睦を深めながら、次のステージへと機動力をもって進んでいくことが目的です。

さきほどのベテラン職人さんに「本当に細かい作業ですね」とお声をかけると、「社長が難しい仕事をもってくるから」と楽しげに笑っておられました。

 

 “つくらずにはいられない”、熱い職人魂の集団、小田エンジニアリングの挑戦はこれからも続きます。

 
取材日:2016年1月26日
店舗データ
会社名 小田エンジニアリング株式会社
事業内容 精密金型設計製作、金属・プラスチック試作品
設計製造、治具・工具設計製作、商品企画・設計・製造・販売
事業所 〒791-0212 愛媛県東温市田窪805-1
TEL/089-964-3021  FAX/089-964-1016
設立 1985年
資本金 1000万円
代表者 代表取締役社長 渡辺計人
従業員 11名
ホームページ http://odaengineer.com/

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